1月6日より「小寒」という節気に入り
インフルエンザ患者が激増しました
人間は自然界とよく連動しています
中医学的にはどのウィルスかだなんてどうでもいいんです
ウィルスは自然界に溢れています
インフルエンザに感染して、発症しない人の方が大多数です
インフルエンザにかかる人は、
体を守る「正氣」が落ち、
寒邪の侵入を許し、
インフルエンザが体内で増えてしまう、
というのが中医学的な考えたかです
で、インフルエンザの漢方の治し方は?
と質問していただくことが多いですが、少々乱暴です
麻黄湯ですか?
と言われても、△です
寒邪が体内に侵入するには、正規ルートがあります
有名な「傷寒論」では、
寒邪が体内に侵害する段階を大雑把に分けて六つの段階に分けています
太陽 少陽 陽明 太陰 厥陰 少陰
それぞれの段階で使う薬と治療法は違います。
よく、インフルエンザに麻黄湯と脊髄反射的に処方されますが
麻黄湯や葛根湯は、寒邪が体内に侵入する最初の段階の「太陽病」のだけの薬です
注意してください
外邪には「風寒暑湿燥火」の六つがありますが
麻黄湯や葛根湯が使われるべきなのは、
寒邪の、初期段階の「太陽病」だけです。
では寒邪の初期段階とはどういうことか?
人間の寒気への第一防衛線は、足太陽膀胱経です。
目から始まり、頭を貫通し後頭部に達し、背部を下降し足まで至ります。
寒邪がこの膀胱経に侵入すると
人間は
悪寒ゾクゾク感、後頭部痛 腰背部痛
を感じます
(あと、脈は「浮」という外に向かって拍動している感じがあります)
これが太陽病の特徴です。
インフルエンザの初日は上記の症状を感じる方が多いはずです
この段階では、寒邪はほんの体の表面に止まっているので、
追い出すのは簡単です
温めて発汗するのが全てです
本当にこの太陽病の段階であれば、汗を軽く出して寝ればすぐ治ります
ただし、汗の出し方にもポイントがあります
⭐︎1、大量に汗をかくと、今度は正氣が傷つくので、汗はうっすら程度で止める
2、汗かいだ状態では、毛穴が開き新な邪気が侵入しやすいので、汗をかいだら絶対に風に当たらず室内でじっとしていること
以上のルールを踏まえれば、薬が手元になくたって太陽病の状態に対応できますね。足太陽膀胱経を温めて汗を出せばいいんです。方法は無限にありますね。
例えば熱湯シャワーで背中を温めるのもいいですね。岩盤浴的なので背中を温めてもいいですね。暖炉なんかあったら背中を当てればいいですね。それに加え、サンラータンなど汗を出しやすいスープを飲んでさっと汗をかいで寝ればいいんです。
ちなみに、麻黄湯や葛根湯は、発汗に特化したお薬です
なので、もうゾクゾクした悪寒や項背部痛が無くなり、むしろ高熱で暑いと感じている患者に対して出すべき薬ではありません。
で、太陽病の次の段階でどういう風に治すかって?
そんなの書いてたら傷寒論丸写しになっちゃいます
無理です
漢方を勉強した医者に受診してください
ちなみに太陽病という、非常に治しやすいゴールデンタイムで受診する患者さんはとても少ないです
調子悪くなってから1日以上経っている人が多いので、もう悪寒項背部痛はなくなって、太陽病を通り過ぎいます
なので、麻黄湯や葛根湯は病院でもらいに行くんじゃあ、間に合わないことが多いです
お家の常備薬としましょう
背中がゾクゾクしたらすぐ飲みましょう
あ、散剤でも必ずお湯に溶かしてくださいね。薬効が全然違いますから
で、一日3袋✖️数日とか、慢性病と同じような使い方しないでくださいね
汗を早急にかくことが大事です
1包飲んで、汗でなければ30分〜1時間後に追加で1袋飲む
初日は4−5袋飲んだって構わない
で、じわっと汗が出たらやめる だらだらと何日も飲む必要はありません
「風邪の初期の麻黄湯や葛根湯」は、こういう雰囲気の薬です
ではみなさん、ゾクっと来たらまず汗を出しましょう〜♫薬なくてもいいんで!
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