久し振りの記事です
立冬(11/7)から立春(2/4)の三ヶ月間は冬になります。
中医学では、
大自然に対抗せず、その移り変わり、つまり「リズム」に乗ることが健康の基本と考えています。
四季がある場所で生活する人の体には自然とリズムができ
リズムがあるからこそ長生きし、より知恵も生まれ、文明も栄えると
中医学では考えられています
一年中同じような過ごし方をしてはいけないのです。
(四季のない赤道直下の国や南極北極は別ですよ)
夏は陽を養う季節でした。情熱の季節でした。
陽とは、体のパワー、エネルギー、のイメージで良いかと思います。
冬は陰を養う季節です
陰とは、とても説明しにくいですが、血液や体液や内臓、体を安定させるもの、潤滑油のイメージです

こういう言い方がわかりやすいでしょう。
冬は、一年頑張った体を、メンテナンスする季節です。
ゆっくり「休む」ことが大事です。
冬はどのようにして過ごせばいいのか、
黄帝内經の記載を紹介します。
黄帝内經原文:
冬三月 此謂閉蔵
夏は心身を解放し、ある程度太陽に身を晒し汗をかくことが大事と以前書きました。
一方、冬の冷気と風には殺傷力があり、なるべく避けることが大事です。
冬の三ヶ月間は、
「閉」と「蔵」が非常に大事です。
これに従い自然界では動物は冬眠し、植物は葉を落として春を待ちます。

閉とは、家の窓を締め切り風を入れないことです。
昔の中国では、閉めるだけではなく、窓の隙間を糊と紙で塞いでいました。
針のような小さな穴でも、人を病気に陥れるほどの風を入れてしまいます。
蔵とは、隠すことです。たくさん着込み、外気から体を守ることが大事です。
また、体だけではなく、心神も隠すべき時期であり、
自身の志や考えを対外アピールせず、それを整理修復しながら、淡々と過ごすことが勧められます。
冬は、自分の中をじっくりゆっくり向き合う時期なのです。
黄帝内經現文:
水氷地坼 無扰乎陽
冬は寒く、体はそれに対抗するため「陽気」を消耗する時期です
外に対抗する陽気をなるべく節約し、内臓の修復に回していくことが大事です。
これを怠れば、いわゆる風邪をひきますし、
長年続けば体のベースが損なわれます。
他の季節と違い、冬は外出を減らし、外出時は厚着をして、陽気が逃げないようにすることが大事です。
黄帝内經現文:
早臥晩起 必待日光
以前、夏は遅寝早起き、秋は早寝早起きが大事と書きましたが、
冬は陽気をなるべく消耗させないために、早寝遅起きが大事です。
早寝とは?
pm9:00-11:00は古人は「人定」と命名し寝るべき時間とされています。11:00は三焦という臓器が働く時間で、この時間までに寝ないといけません。夏の遅寝は11:00頃を指します。秋冬は、10;00までに寝ることが大事です。(大人の場合ですよ、子供はもっと早く寝ましょう)
遅起きとは?
「必待日光」と書いてあります。夜明け後、今の時期だと6:20頃以降に起きることが大事です。
天真が保たれている子供を見ているととてもわかりやすいです
我が子も最近早くから眠くなり、夏よりは遅くまで寝るようになりました
夜明け前にランニングしている人がいます。
筋力持久力のトレーニングになるかもしれませんが、
陰を養う時間を消耗に回してしまい、
長い目で見れば健康を損なう行為です。
「冬でも寝れません
夜明け前に目を覚ましてしまいます」
という人はたくさんいます。
「閉蔵」する能力がなくなっており、陰陽失調の状態です。
車でいうとアクセルは作動するけどブレーキが壊れている状態です。
例えば、「肝火(怒り、ストレスなど)」や「心火(興奮、大きな喜び)」がある人や
「陰虚」の人はこういう状態になりやすいです。
中医学的に調節が必要です。
現代人は繁忙で、なかなか冬でも外出しないといけません。
ですが、
なるべく、意識して、ブレーキをかけることが大事です。
冬に家でぬくぬく過ごすこと、中国語で「猫冬」と言いますよ
