今回の新型コロナウィルス感染症は「湿邪」であると前回ふたつの記事で書きました。
湿邪に対処する予防の生薬はありますが、それはまた次回著名の先生の記事を翻訳します。
ほとんどの皆さんは、生薬ではなく食事でできる対策を求めています。それを著名の中医師 徐文兵先生の著書を参考にしてまとめました。今の日々の食事の選択の中で少し取り入れていただけると幸いです。
食事の対策も「湿邪」「寒湿」の対策でよいと考えます。
今年は日本も武漢と同じく暖冬であり、そして雨の日も続いています。気温が比較的高いと湿度もあがり、そして暖冬といえど季節は初春であり寒いです。日本も今は湿邪 寒湿が問題になっていると思います。
あと、おすすめ食材を語る前に、まず大前提です!
中医学は、「○○をする」以上に、「○○をしない」ことを大事と考えます。
前回記事でも書いたように、脂っこいものと甘い味のものは内湿を増強させるので、今は控えた方がよいです。
「魚生火、肉生痰」という言葉があります。
中医学の言う「痰」は所謂肺から出てくるアレだけではなく、「湿」の中の一種であり、粘っこく除去しにくい「湿」です。
内湿を増長させないために、肉類を控えた方がいいです。ただし、後述しますが、発酵処理した肉なら問題はすくないです。
また、餅のような粘っこく甘いもの(砂糖いれなくても餅米は中医学的に甘味と分類されます)は痰湿を増長させる食べ物として名高いです。
そして甘い味全般的に痰湿を生みやすいです。アイスクリームなどは論外です。例えば、健康目的でデーツ(ナツメヤシ)を食べている人が多いですが、これも甘味であり内湿がある人は注意すべき食べ物です。
肉も餅米も甘味も、それぞれの効能もあるので一概に避けるべきものではないですが、外湿が問題になる時期、または内湿が盛んな人は避けるべきです。
さて、本題、「湿」防御のための食品編
中国では南方の地域に古くから湿気が強い地域が多く、その食習慣にヒントがあります。
まず、南方の人々は酸味と腐食(発酵品)を好んで食べます。
酸味と発酵品は消化を助け、脾胃での痰湿生成を減らすことができます。発酵品はとりわけ優秀で、発酵の過程で食品がある程度分解され非常に消化しやすくなり、脾胃に負担をかけません。これはすなわち消化され、人にとって有用な「気 血 津液」となりやすく、廃棄物の痰湿を作りにくいということになります。
実際南方の人々は古くから肉を発酵し、「腊肉(ベーコン)」「腌肉(漬肉)」「火腿(ハム)」にして摂取しています。
ここまでは「湿」を作らない食品の話でした。
次は「湿」を散らす食品編
湖南省、湖北省、四川省、雲南省、貴州省など湿気が盛んかつ奥地ゆえに寒冷も共存する地域で古くから辛味が愛されています。
辛味は、「寒」と「湿」をとるには最強です。
インド人がカレーを愛するのも似た原因かもしれません。インド洋からの湿気はヒマラヤ山脈に遮られインド全土に降り注ぐので、カレーの辛味で体内の湿を排出しているかもしれません。
生姜、葱、ニンニク、山椒、紫蘇、大根などは、寒湿対策の有力食材です。
ちなみに辛くて嫌な人は、酸味を組み合わせてとると辛味は緩和されます。生ニンニクは胸やけするけど、ニンニクの酢漬け(らっきょ?)にすると緩和されますよね。
辛味も度がすぎると脾胃(消化機能)を傷害させます。適度でお願いします。
最後にとある南洋中医師が提案した、家の食材で作れる予防ジュースを紹介します。
葱白(葱の白い部分)生姜 ニンニク 黒糖
量は適当です(笑)上記を水で煮込んみ(沸騰後2分程で可)、その汁を飲みます。
黒糖は甘いですが、脾胃を保護する作用があるので今回は使います。
作りたては辛くて不味いですが、常温に戻した後にうちの旦那さんに飲ませたら、
「あ、ジンジャーエールじゃん笑」という反応でした。
上記の寒湿をとる趣旨のものとしては、良いかとおもいます。
次回、予防の生薬処方について書きます。
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